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COCO & CHIKUWA

おかね

猫のワクチンの費用|混合ワクチンは中央値4,000円。FeLV入りは6,250円で、扱わない病院が15.8%

このページのまとめ

猫のワクチンの費用を、日本獣医師会の全国調査(回答1,096施設)だけで整理しました。猫混合ワクチン(FeLVを含まない)の中央値は4,000円で、65.4%の施設が3,000〜5,000円未満に集まります。FeLVを含むものは6,250円。ただし同じ調査で「対応外」=扱っていない施設が、FeLV入り混合で15.8%、FIVワクチンで44.5%、FeLV単独で60.4%あります。値段より先に、その病院が扱っているかどうかが分かれます。回数の目安はAAHA/AAFPの2020年ガイドラインの原文から示し、FIVワクチンの位置づけのように原文で確認できなかったことは、そのまま「確認できなかった」と書きます。

猫の混合ワクチン(FeLVを含まないもの)の料金は、日本獣医師会の全国調査で中央値4,000円でした。FeLVを含むものは6,250円です。 ただしこの2つの違いは、金額よりも別のところに出ます。

FeLVを含まない混合ワクチンは、扱っていない病院が2.5%しかありません。FeLVを含むものは15.8%が「対応外」です。 FIVのワクチンでは44.5%、FeLV単独では60.4%。半分前後の病院に、そもそも選択肢がありません。

だからこのページでは、4つの製剤それぞれについていくらかどれだけの病院が扱っているかを並べます。値段を比べる前に、打てるかどうかが分かれるからです。

先にお伝えしておくと、この調査は2021年8〜10月に実施されたもので、いまから5年前の数字です。回答は全国の開業獣医師6,739名のうち16.2%にあたる1,096施設です。

このページは費用の情報です。どのワクチンを打つべきかは書きません。獣医師の監修も受けていません。接種の種類とスケジュールは、猫の年齢・暮らし方・地域によって変わります。かかりつけの動物病院にご相談ください。

4つの製剤を、料金と「扱っている割合」で並べる

日本獣医師会(JVMA)の診療料金実態調査には、生物学的製剤の項目があります。ここは検査や診察と違い、犬用と猫用が別々の項目として立っています。だから「猫の料金」として読めます。猫の項目は4つです。

製剤中央値最も多い金額帯「対応外」
猫混合ワクチン(FeLVを含まない4,000円3,000〜5,000円未満 65.4%2.5%(27件)
猫混合ワクチン(FeLVを含む6,250円5,000〜7,500円未満 55.8%15.8%(173件)
猫ワクチン(FIV)4,000円3,000〜5,000円未満 29.6%44.5%(488件)
猫ワクチン(FeLV)4,000円3,000〜5,000円未満 20.3%60.4%(662件)

出典: 日本獣医師会『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査』(全1,096件・麻酔料を含まない)

中央値だけを見ると、FIVもFeLVも4,000円で混合ワクチンと同じです。ところが右端の列を見ると、まったく違う顔が出てきます。

FIVワクチンは1,096施設のうち488施設が「対応外」。FeLV単独では662施設です。 金額を答えた施設のほうが少数派になります。この2つについては、「相場はいくらか」より先に「打てる病院かどうか」を確かめることになります。

なぜ扱わないのか。その理由は、この調査には書かれていません。ここは推測せずに、数字だけをお伝えします。

混合ワクチンは3,000〜5,000円台に集まる

いちばん多くの猫が受けるであろう、FeLVを含まない混合ワクチンの分布です。

料金施設数割合
3,000〜5,000円未満717件65.4%
5,000〜7,500円未満322件29.4%
7,500〜10,000円未満10件0.9%
2,000〜3,000円未満7件0.6%
1,000〜2,000円未満2件0.2%
10,000〜12,500円未満1件0.1%
対応外27件2.5%
無回答10件0.9%
中央値4,000円全1,096件

出典: 同調査(無料・500円未満・12,500円以上の区分はすべて0件)

回答の95%近くが3,000円から7,500円のあいだに収まります。健康診断の料金が10,000円台から20,000円台まで広く散らばっていたのと比べると、ワクチンの料金はかなり狭い範囲に固まっています。窓口で提示された金額がこの帯から大きく外れていたら、何が含まれているかを聞いてみる余地があります。

FeLVを含むと6,250円。ただし6施設に1つは扱っていない

料金施設数割合
5,000〜7,500円未満612件55.8%
対応外173件15.8%
7,500〜10,000円未満156件14.2%
3,000〜5,000円未満118件10.8%
無回答23件2.1%
10,000〜12,500円未満9件0.8%
2,000〜3,000円未満2件0.2%
12,500〜15,000円未満2件0.2%
1,000〜2,000円未満1件0.1%
中央値6,250円全1,096件

出典: 同調査

FeLVを含まないものとの差は、中央値で2,250円です。そして「対応外」が2.5%から15.8%へ跳ね上がります。

この差の背景として、ひとつだけ一次資料で確認できたことがあります。2020年のAAHA/AAFPガイドラインは、FeLVのワクチンを1歳未満の猫についてはコア(すべての猫に推奨)、1歳を超えた猫についてはノンコア(曝露リスクに応じて選ぶ)と位置づけています。同じ製剤でも、猫の年齢で位置づけが変わるということです。

ただしこれは米国のガイドラインで、日本の病院が扱う扱わないを決めている理由とは限りません。「ガイドラインがこう分類している」と「日本の15.8%が対応外である」を、因果でつなぐ材料は手元にありません。

コアとノンコア(原文で確認できた範囲)

2020年のAAHA/AAFPガイドラインは、ワクチンをコアとノンコアに分けています。原文の記述をそのまま整理すると、こうなります。

分類対象ガイドラインの定義
コアFHV-1(猫ヘルペスウイルス1型)・FCV(カリシウイルス)・FPV(汎白血球減少症)・狂犬病・FeLV(1歳未満の猫)すべての猫に推奨。接種歴が不明な猫にも
ノンコアFeLV(1歳を超えた猫)・Chlamydia felis・Bordetella bronchiseptica曝露リスクに応じて選ぶ任意のワクチン
一般には推奨しないFIP

出典: 2020 AAHA/AAFP Feline Vaccination Guidelines

この表にFIVがないのは、書き漏らしではありません。 ガイドラインの本文がノンコアとして挙げているのは、FeLV(1歳超)・クラミジア・ボルデテラの3つで、FIVはこの列挙に入っていません。分類の一覧表そのものはPDFの中で画像になっており、テキストとして読み取れませんでした。

だからこのページでは「FIVワクチンはノンコアです」と書きません。原文で確かめられなかったからです。日本ではFIVワクチンが存在し、料金調査にも項目が立っています。位置づけについては、かかりつけの動物病院に聞いてください。

なお狂犬病について。この料金調査の猫の項目に、狂犬病ワクチンはありません。 日本で狂犬病の予防接種が法律で義務づけられているのは犬です。上の表の「コア」に狂犬病が入っているのは、米国のガイドラインだからです。

回数の目安(ここも米国のガイドラインです)

費用の次に効いてくるのが回数です。何本打つかで支払う合計が変わります。2020年のAAHA/AAFPガイドラインが書いていることを、原文の順に並べます。

  • 子猫のシリーズでは、接種の間隔を2週未満にしない(短すぎると免疫がつかないことがある)
  • シリーズのあとのブースターは3〜4週後
  • 従来の推奨は「初回シリーズの1年後、以降ほとんどのワクチンで3年ごと
  • 2020年の更新で、FPV・FHV-1・FCVについては、この「1年後」を生後6か月での再接種に置き換えた(WSAVAの推奨に合わせたもの)
  • ただしFeLVと狂犬病は年1回の接種が残るため、そのための受診が別に必要になる、とガイドライン自身が書いている

「3年ごと」と「年1回」が混ざっていることが、費用を見通しにくくしています。すべてのワクチンが同じ周期で回るわけではありません。

そのうえで、年間いくらになるかはこのページでは出しません。 打つ本数が猫ごとに変わり、日本の製剤の種類も米国のガイドラインとは一致しないためです。中央値どうしを掛け算した数字は、どの猫の支払額でもありません。

うちのココは2歳、ちくわは1歳です。子猫のシリーズは終えている年齢ですが、次に何をいつ打つかは病院と決めています(n=2の記録)。

この調査とこのページの限界

1. 料金のデータは2021年のものです。 公表は2023年9月ですが、調査そのものは令和3年8〜10月に行われました。健康診断の料金は前回調査(平成27年)から6年で2,229円上がっています。ワクチンについても、いま窓口で提示される金額がこの中央値どおりとは限りません。

2. 回答は開業獣医師の16.2%です。 全国の平均というより、回答した1,096施設の分布として読むのが正確です。

3. 「何種混合か」がわかりません。 調査の項目名は「猫混合ワクチン(FeLVを含む/含まない)」までで、3種混合・5種混合といった種数別の集計はありません。同じ「混合ワクチン」でも中身が違う可能性があります。

4. 接種の回数と間隔は米国のガイドラインです。 日本の製剤事情・法制度とは違います。日本の料金に機械的に掛け算しないでください。

一次資料に見つからなかったこと

  • FIVワクチンがコアかノンコアかの分類(上に書いたとおり、本文の列挙で確認できませんでした)
  • 日本国内の猫のワクチン接種率の公的統計
  • 2021年より新しい全国の料金調査
  • 「猫のワクチンは年◯円」という公的な年間費用の目安
  • 猫の狂犬病ワクチンの料金
  • 調査の「混合ワクチン」が何種混合かの内訳

無いものを無いと書いておきます。とくに年間費用の目安は、あちこちで見かける形です。打つ本数が猫によって変わる以上、公的に決めようがない数字だと考えています。

関連するページ

このページについて(免責)

このページは、公表されている調査とガイドラインからワクチンの費用を整理したものです。診断・治療の指南ではなく、獣医師の監修も受けていません。どのワクチンをいつ打つかは、猫の年齢・暮らし方・地域・健康状態によって変わります。接種の内容と金額は、かかりつけの動物病院にご確認ください。

接種のあとに体調の変化が見られた場合は、動物病院にご連絡ください。

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よくある質問

猫のワクチンの費用はいくらですか?

日本獣医師会の全国調査(回答1,096施設)では、猫混合ワクチン(FeLVを含まないもの)の料金は中央値4,000円でした。65.4%にあたる717施設が3,000〜5,000円未満に集まっています。FeLVを含む混合ワクチンは中央値6,250円で、55.8%が5,000〜7,500円未満です。FIVワクチンとFeLV単独のワクチンは、どちらも中央値4,000円でした。いずれも麻酔料は含みません。ただしこの調査は2021年8〜10月に実施されたもので、実際の金額は病院ごとに違います。受診前に確認してください。

FeLVを含むワクチンと含まないワクチンは、何が違うのですか?

料金でいうと、中央値で2,250円の差があります(含まない4,000円/含む6,250円)。もうひとつ大きく違うのが、扱っている施設の割合です。FeLVを含まない混合ワクチンは「対応外」と答えた施設が2.5%しかないのに対し、FeLVを含むものは15.8%が対応外でした。6施設に1つは扱っていないことになります。なお2020年のAAHA/AAFPガイドラインは、FeLVのワクチンを1歳未満の猫についてはコア(すべての猫に推奨)、1歳を超えた猫についてはノンコア(曝露リスクに応じて選ぶ)としています。どちらを打つかは猫の年齢や暮らし方で変わるので、かかりつけの動物病院に相談してください。

FIVのワクチンを扱っていない病院が多いというのは本当ですか?

日本獣医師会の調査では、FIVワクチンを「対応外」と答えた施設が1,096件中488件(44.5%)ありました。FeLV単独のワクチンでは662件(60.4%)です。半分前後の病院で、そもそも選択肢に上がらないことになります。理由についてはこの調査に記載がないため、このサイトでは推測しません。打てるかどうかを含めて、かかりつけの動物病院に確認してください。

ワクチンは何回打つもので、年にいくらかかりますか?

年間の費用は出せません。公的な目安が存在しないうえ、打つ本数が猫ごとに変わるためです。回数の考え方だけ書くと、2020年のAAHA/AAFPガイドラインは、子猫のシリーズのあとのブースターを3〜4週後とし、従来「初回シリーズの1年後、以降はほとんどのワクチンで3年ごと」だった再接種のうち、FPV・猫ヘルペスウイルス1型・カリシウイルスについては生後6か月での再接種に置き換えました。同ガイドラインはFeLVと狂犬病は年1回の接種が残るため受診が別に必要になる、とも書いています。ただしこれは米国のガイドラインで、日本とは製剤や法制度が違います。実際のスケジュールは動物病院と決めてください。

この記事が当てはまる範囲

料金は日本獣医師会の全国調査(2021年8〜10月実施・回答1,096施設)の数値です。回答は開業会員構成獣医師6,739名のうち16.2%で、母集団に偏りがあります。ワクチンは検査項目と違い、犬用と猫用が別の項目として立っているため「猫の料金」として読めます。金額はすべて麻酔料を含みません。接種の回数と間隔は2020年のAAHA/AAFPガイドライン(米国)の原文によるもので、日本の製剤の種類や法制度(狂犬病の法定接種は犬のみ)とは事情が違います。日本の料金に機械的に掛け算しないでください。

一次資料に見つからなかったこと

  • FIVワクチンがコアかノンコアかの分類(2020 AAHA/AAFPの本文が列挙するノンコアはFeLV〈1歳超〉・クラミジア・ボルデテラで、FIVはこの列挙に含まれていません。分類表は画像で、読み取れませんでした)
  • 日本国内の猫のワクチン接種率の公的統計
  • 2021年より新しい全国の料金調査(日本獣医師会の調査は平成6年・10年・27年、令和3年の4回で、次回の予定は公表資料に見当たりません)
  • 「猫のワクチンは年◯円」という公的な年間費用の目安
  • 猫の狂犬病ワクチンの料金(この調査の猫の項目は混合・FIV・FeLVの4つで、狂犬病はありません)
  • 調査の「猫混合ワクチン」が何種混合かの内訳(3種・5種といった種数別の集計はありません)